国際活動

ISO/TCO173

ISO/TC173 に関する活動について紹介します。

1. ISO/TC173における国内活動について

UTMS協会は,ISO/TC173/SC4の国内審議引き受け団体である「日本リハビリテーション工学協会」の下部組織ISO/TC173/SC4/WG6対策専門部会に参加しており、以下の活動を行っている。

  1. 国際会議で提案されたCD等の内容を検討し,国内機器との整合性を調査すると共に、国内機器規格の妥当性等についても積極的に検討する。
  2. 国内機器規格や音響方式等に関して、WG組織・TC組織等を通じて国際会議の場で積極的な提案を行い、DIS化に努力する。
  3. 新たに、視覚障害者の誘導に関する機能や方式について積極的研究を行う。

2. 日本の視覚障害者用信号機の歴史推移について

  1. 日本で最初の視覚障害者用信号機は、1964年(昭和39年)9月に東京都内に設置され、以降急速に整備されて現在では全国で8900交差点(1996年度末現在)あまりに設置されている。
  2. 視覚障害者用信号機は、当初各都道府県警察がそれぞれ独自の考え方に基づいて設置を進めたこともあり、方式的にも音響式・振動式が混在した。音響種類もメロディー(21種)・バードボイス・単純音等さまざまな音色が存在した。
  3. これらさまざまな音響は、設置する側のみならずこれら施設を利用する人々にとって、いたずらに混乱を及ぼす可能性がある事から、1975年(昭和50年)10月に交通管制施設協会から設置に関するガイドラインとも言うべき「盲人用信号施設研究委員会報告書」が発行され現在に至っている。
  4. 盲人用信号施設研究委員会報告書には、概ね以下の内容が今後の施設設置方針として示されている。
  1. 視覚障害者用信号機の位置づけと基本的機能
  2. 設置場所の基準
  3. 音源位置の基準
  4. 音響種類の統一(メロディー2種・バードボイス2種の制定)
  5. その他(視覚障害者歩行誘導施設の併設及び設置環境保全事項など)

3. 1994年ISO/TC173国際会議におけるISO/CD11549への各国対応について

  1. 11ヶ国の内3ヶ国が不承認であり、その中に日本も含まれていた。又UKは評議では承認していたが各論において反対を表明した。
  2. 不承認国は、日本・スウェーデン・スイスの3ヶ国で、何れもコメントを残している。その他、評議では承認であるがドイツもコメントを提出している。
  3. 日本は反対を表明し、既に七千機以上の音響信号機が設置運用されており、 それらの経験から得られた音響信号機と視覚障害者に対する数々のノウハウと、それらを培った国情が理解されていない旨を主張して以下のコメントを提出した。
  1. 880Hzの根拠は何か、また矩形波でよいのか?
  2. 日本では2800Hz(ピョピョ)、1100Hz(カッコウ)を横断方向別に使い分けており、方向感覚を与えるための対応をどうするのか?
  3. 信号音の2Hzまたは5Hzという感覚の根拠が不明
  4. デューティサイクル50の根拠が不明
  5. 信号発生機の取り付け高さについての検討不足
  6. 青終了時における音響終了タイミングの検討不足
  7. 信号音の確認範囲の検討不足

4. 1997年10月ISO/TC173/WG6インスブルック国際会議における日本の方針

  1. 1994年ウィーン国際会議で審議された改訂CDに対して、日本として今後問題となる点を中心に新たな改訂版を作成すべく討議を行った。
  2. 討議の主題は、いままで各国が全く議題として挙げていない、視覚障害者の誘導(ナビゲーション)機能に関する問題を提示し、その必要性・有効性・実用性について発表/討議した。
  3. 誘導(ナビゲーション)については、1996年度岡山県立大学が実施した音源定位と誘導に関する屋内実験結果を主体に、その後のフィールド実験結果もまじえて報告し、その必要性を強調した。
  4. 併せて、過去〜現在に至る日本の各種音響実績を音として提示し、その実用性に対する主張を行った。
  5. また、バードボイスに対する可聴性の研究と、誘導の可能性を提示する「鳴き交わし」方式について、視覚障害者付加装置の鳴動実演を行って各国委員の合意を積極的に求めた。
  6. 日本としては、これらの行動の帰結として再改訂版CDを作成し、次回国際会議で投票に持ち込み、DIS承認を経てISO規格化していく事を目指している。